超音波画像について

超音波画像

超音波診断において、画像の理解は大切な要素となる。超音波検査に用いる画像は主にグレースケールで表示するBモードをベースにドプラやMモード等を応用できるとより有益な情報が得られる。

最も高い頻度で使用するBモードは、超音波の反射強度をグレースケールで輝度表示するものである。この際、組織や細胞毎に有する固有のインピーダンス値が異なる部分で反射の強弱が決定され、固有音響インピーダンスが異なる部分で反射が起きる。反射部位にその強度に応じた輝度が表示されるしくみである。

固有音響インピーダンスとは

超音波伝搬する媒体毎に有する固有のもので「媒体密度×音速」で規定される値。一般的に硬い部分は密度が高く、音速も速い傾向にある事から硬い組織は音響インピーダンス値が高い傾向にある。一方、柔らかい組織は低い事が多い。

勘違いしやすいのは、Bモードにおけるエコーレベルの高低=音響インピーダンスの高低ではないこと。超音波反射の強弱は、音響インピーダンス値の差が大きいか小さいかで規定されるため、異なる構造でも音響インピーダンスの値に差がなければ、もしくは小さければ反射が起こらない。ということは、構造ごとに輝度が規定されているわけではないということは理解しておきたい重要な部分です。

ドプラ機能について

循環器の検査ではドプラが重要な情報を与えてくれることがしばしばある。ドプラは移動物からの反射信号が周波数変化をきたすことを利用し、速度を求めたり、カラー表示したりできる機能になります。血流情報を手軽に侵襲なく得られるため、検査対象によっては多用する表示です。

大きく「カラードプラ」「パワー表示」「パルスドプラ」「連続波ドプラ」といった機能があり、必要な情報に応じて使い分けが必要で速度を定量的に求める場合はパルスドプラ、連続波ドプラを使う。広範囲の情報を得たい場合はカラーやパワードプラを使用すると効率よく血流情報が得られます。

超音波画像の見方

超音波画像は超音波が透過できない部分を除き、どこからでも・どのような角度からでも観察が可能です。言い換えると、表示画像はいかようにもなるということ。これが仇となり、表示画像の理解が初心者には難しく感じる部分かと思います。

Bモード表示では、画面上下がプローブからの距離(近い部分が上)、左右はプローブマークを向けている方向が右側に表示されるよう設定されているので、表示部位はしっかり理解できるよう慣れておくことが大切です。そして臓器の立体像が構築できるようトレーニングすることが必要となります。

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